Google Sitemaps用XML自動生成ツールを利用しています。

雪絵ちゃんの願い

  • 2009/01/29(木) 19:49:13

山元加津子と仲間たちのページ
山元加津子さんの写真です。


最近、「たんぽぽの仲間た」というHPを知って、なにかしたいと思いました。
まったく関係ないような、アフィリエイトサイトだけど紹介します。 リンクも張りました。
「大好き」のイラストから飛べます。山元加津子さんのイラストです。


雪絵ちゃんの願い

このお話しは、雪絵ちゃんという素敵な女の子のお話です。彼女は、
一人一人がみんな大切で、自分のこと大好きでいいんだよ」ということを
、伝え続けてくれました。
-----------------------------------------------------------------
 雪絵ちゃんの話をします。雪絵ちゃんと出会ったのは病弱養護学校とい
う養護学校でした。病弱養護学校というのは、心臓病だとか、喘息だとか
、ネフローゼだという慢性の病気を持っておられて、地域の学校に通うこ
とが難しいお子さんが通っておられる学校なんですね。そこで雪絵ちゃん
と出会いました。
 雪絵ちゃんはMSという名前の病気を持っておられました。MS,別名多発
性硬化症という病気です。どんな病気かというと、熱が出ると、目が見え
なくなったり、手や足が動かしにくくなるという病気なんです。見えない
まんまかとか動かしにくいまんまかというと、そうではなくて、訓練をし
ている間に、だんだん見えるようになったり、動くようになったりするん
ですけれど、でも、発熱する前のところまで回復するというのは難しいの
で、だんだん見えなくなったり、だんだん動かなくなっていくという病気
です。それから見えないまんまということもあるし、動かないまんまとい
うこともあるんですね。だから、私は雪絵ちゃんはどんなに再発するたび
に、どんなに怖いだろうと思うのにね、雪絵ちゃんはいつもいつもね、と
ても元気に立ち直るんですね。
 雪絵ちゃんは空から降る雪に、絵と書いて雪絵と言います。雪絵ちゃん
は12月28日生まれ、雪の降ったきれいな朝に生まれた女の子なんですね。
 雪絵ちゃんは多発性硬化症、MSという病気を持っていたわけですけれど
、雪絵ちゃんは口癖のように「私はMSであることを後悔しないよ」と言い
ました。「MSである雪絵をそのまま愛しているよ」と言いました。
「どうして?」と聞くと、
「だってね、MSになったからこそ気がつけたことがいっぱいあるよ。もし
MSでなかったらその素敵なことに気がつけなかったと思う。私は、気がつ
いている自分が好きだからMSでよかった」と雪絵ちゃんは言うんです。
 そしてね。MSになったからこそ出会えた大好きな人が周りにいっぱいい
るよ。かっこちゃんにも会えたしね。もしMSでなかったら違う素敵な人に
会えたかもしれないけれど、私は今周りにいる人に会いたかった、かっこ
ちゃんに会いたかったから、これでよかったよ。目が見えなくなっても、
手や足が動かなくなっても、息をするときに、人工呼吸器をつけなくては
ならなくなっても、私はMSであることを決して後悔しない。MSの雪絵な丸
ごと愛しているって。
 そういうふうに言い切る雪絵ちゃんはなんて素敵なんだろうと思います
。その雪絵ちゃんが、言っていることとか、それから、話してくれている
こととか、書いてくれていることとか、素敵なことがいっぱいあって、私
はいつも、雪絵ちゃんから元気や勇気をいっぱいもらうなあと思います。
これは幸せ気分という雪絵ちゃんの書いた本なんですけれど、ここから少
し紹介させていただきます。


ありがとう


ありがとう、

私決めていることがあるの。

この目が物をうつさなくなったら目に、

そしてこの足が動かなくなったら、足に

「ありがとう」って言おうって決めているの。

今まで見えにくい目が一生懸命見よう、見ようとしてくれて、

私を喜ばせてくれたんだもん。

いっぱいいろんな物素敵な物見せてくれた。

夜の道も暗いのにがんばってくれた。

足もそう。

私のために信じられないほど歩いてくれた。

一緒にいっぱいいろんなところへ行った。

私を一日でも長く、喜ばせようとして目も足もがんばってくれた。

なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき

「なんでよー」なんて言ってはあんまりだと思う。

今まで弱い弱い目、足がどれだけ私を強く強くしてくれたか。

だからちゃんと「ありがとう」って言うの。

大好きな目、足だからこんなに弱いけど大好きだから

「ありがとう。もういいよ。休もうね」って言ってあげるの。

たぶんだれよりもうーんと疲れていると思うので……。


 とこんなふうに続いていくんですけれどね、私ね、なんてすごいんだろ
うって思ったんですね。だってね、たとえば、私、山の方に住んでいるん
ですけれどね、車がないとね、どこにも行けないんですよね。お買い物に
も行けないし、学校にも行けないし。でもね、あるとき、参観日の大事な
日なのに、車が途中でとまっちゃったんですよね。それでね、どうして、
こんな大事な日にとまっちゃうのよ。新しいのに買い換えちゃうからね、
うって思ったんですね。だってね、たとえば、私、山の方に住んでいるん
ですけれどね、車がないとね、どこにも行けないんですよね。お買い物に
も行けないし、学校にも行けないし。でもね、あるとき、参観日の大事な
って車に言ったんですね。私はそのとき、雪絵ちゃんのありがとうの詩を
思い出しました。私は車がなかったらどこにも行けないんですね。毎日毎
日運んでくれているのに、ありがとうって思ったことがあっただろうか?
それなのに、私は動かなくなったら、「なんでよ」なんて思って、おまけ
に、私がガソリンをちゃんと入れてなかったからだったんですよね、それ
なのに、車を責めている私ってなんだろうってそんなふうに思いました。
 それから雪絵ちゃんは「よかった」「よかった」って言うんですね。ど
んなときも「よかった」「よかった」って。私が毎日毎日、雪絵ちゃんに
あったことをね、メールとか会ったりとか、FAXとか電話とかで言うんで
すね。そうすると、雪絵ちゃんはどんなときでも、「よかったね」って言
うんですね。
 たとえば、「私ね、今日、車ぶつけちゃったの」って言ったらね、雪絵
ちゃんがね、「よかったね」って言うんです。 
それでね、私が「どうして?」って。
 そのとき、私、車買ったばっかりのときだったのにね、バックしてね、
自分の家の塀にばーんとぶつけちゃったんですね。
本当にね、最初に運転をしたときだったから、雪絵ちゃんに「大ショック
」って言ったら雪絵ちゃんが「よかったね」って。
「だって私、ぶつけちゃったんだよ」って言ったらね、雪絵ちゃんがね、
「かっこちゃんぴんぴんしてるじゃない。かっこちゃん、少しぶつけとい
た方がいいよ。そうしたら後ろ向いて、ちゃんとバックするようになるか
ら」って。
そう言われたら、本当にちゃんとバックするとき、後ろ見てなかったわと
思いました。そのあと、本当にね、ちゃんと後ろ見るようになってね、よ
かったなって思ったんですよね。
もし、それが、人のおうちの塀だったり、人の車だったら大変だし、まし
て誰か人をひいてしまったら大変だったのに、あれから、私、ちゃんと後
ろ向いてからバックするようになったもんと思って、本当に雪絵ちゃんの
言うとおりだなあというふうに思いました。
 それからあるとき、国語の先生の会の集まりのときに、お話しさせてい
ただいたことがあったんですね。で、私が自分の学校の子ども達が大好き
なように、その先生もご自分の生徒さんが大好きなんだと思います。こん
な質問をされました。「どうして、日本という国は、障害を持っていて、
国にあまり役に立たない人のためにお金を使うんですか? 障害を持って
いる人は十分な栄養と睡眠さえ与えておけば、大丈夫なんじゃないんです
か?」っておっしゃったんです。「私たちは高校のみんなにたくさん本を
買ってあげたいのに、なかなかね、買ってあげるお金をもらえない。国の
ために役に立つ高校生にお金を使ったらいいと私は思うんだけど、どう思
われますか?」っておっしゃったんですね。
 で、私は、なんてことをおっしゃるのだろうと思ってね、あの、子ども
達はお勉強したりするのが大好きだし、それに、子ども達がいることで、
みんなはいっぱいいろんな大切なものに気がつけたりできるのに、と思っ
て、一生懸命「そうじゃないんですよ」って講演会でお話しさせていただ
いて、帰ってきて、でも、私ちょっときっと怒っていたんだと思います。
それで、帰って来て、雪絵ちゃんに会うなり、雪絵ちゃんに、「今日ね、
あのね、すごく腹が立ったことがあったんだよ。高校の先生がこんなふう
に言ったんだよ。私、星雄馬のお父さんだったら、机ひっくり返している
かもしれない」って言ったんです。
 雪絵ちゃんが「その人、質問してくれてよかったね」と言いました。
 また雪絵ちゃんの“よかったね”が始まったと思って、 どうして?」って
聞いたらね、
「かっこちゃんはね、毎日のように障害を持っている人と一緒にいるから
、障害を持っている人がどんなに大切で、そして、どんなに素敵かを知っ
てると思う。でもね、社会の人は知らない人がほとんどだよ。その会場に
いた人も知らない人がいっぱいいたと思う。でも、その女の先生が質問し
てくれたおかげで、かっこちゃん、一生懸命『そうじゃないよ』ってしゃ
べったんでしょう?それを聞いた人たちが、ああそうかって、思ってくれ
た人がきっと何人もいるよ」って言ってくれたんですね。
 本当だと思って、ああよかった、その人ね、質問してくれて、ありがと
うというような気持ちに変わったので、不思議だなあと思うんだけど、雪
絵ちゃんはとにかく、どんなときにも「よかったね」「よかったね」って
いう人でした。
三年か四年くらい前の夏でしたけれど、雪絵ちゃんがある日ね、「かっこ
ちゃん、私疲れちゃった。らくになりたくなった」って言ったんです。
らくになりたいって死にたいってことかなってちょっと思ったけど、そん
なこと私、言えないしね、だってそのときの雪絵ちゃんは、もう指一本、
動かすことができない状態になっていたんですね。おしゃべりすることは
できたけど、指一本動かない、どんなにつらいことかわかっていたので、
どうしよう、なんて答えようと思っていたのです。
 雪絵ちゃんは、「あ、かっこちゃんはまさか私が死にたいとでも思った
と思った?そんなこと、思うはずないでしょ?」って言いました。
「よかった」って思ったんですけど、雪絵ちゃんが、「私ね、やっぱりね
、どこも動けないとやっぱり疲れちゃうんだよね。暑いから扇風機つけて
ほしいなあと思っても、人に頼まなくちゃいけないし、身体が冷えてきた
から、扇風機止めてほしいと思っても、人をね、呼び止めて頼まないとい
けないし、それに、動かないけど、痛むし、それに動かないけど、かゆく
なったりもするんだよねって。だから、元気になりたいから、なんか元気
になる話をして」と言いました。
私は「まかしといて」って言って、そのときに、こんな話をしたんです。
私はそのときに、ああ、こんなことがあるんだと思って、すごくうれしか
ったテレビの話なんですけどね、みなさんにもさせていただいたいと思う
んです。
 NHKの人体?っていう番組がね、昔あったんです。みなさんご存知でし
ょうかね、遺伝子というね、そういうものを扱った番組だったんですね。
私はその番組がすごく好きだったんですけど、その中であの、わあ、うれ
しいと思ったことがあったんです。
 どんなことかと言うと、アフリカのある村で、マラリアが大発生するで
すね、マラリアって、けっこう、怖い病気で、どんどんどんどんその村の
人がね、死んでしまうんです。どんどんどんどん死んで、その村が絶滅し
てしまうんじゃないかってそう思ったのに、絶滅しなかったんです。なぜ
かというと、マラリアにかからない人がいるということがわかったんです
。で、いったいどんな人がかからないんだろうなって思って、お医者さん
とか、科学者の人が血を採って調べたんですね。そうしたら、あることが
わかったんです。私たちの多くの人たちの赤血球は、ハンバーグをつぶし
たような形をしているんですね。けれども、お月さまみたいな鎌状赤血球
って言うんですけど、草を刈る鎌みたいな形をしている鎌状の赤血球を持
っている人はマラリアにかからないということがわかったんだそうです。
それで、さらにお医者さんは、鎌状赤血球を持っている人の兄弟を調べら
れたんだそうです。で、鎌状赤血球を持っている人の兄弟に、集まってく
ださいと言って、その村の人に集まってもらって、その人たちの血液を調
べたんですね。あ、血液は鎌状だった。ごめんなさい。とにかく、集まっ
てくださいと言ったときに、鎌状赤血球を持っている兄弟のうちの1/4
の人は、鎌状赤血球を持っていて、障害も持っているということがわかっ
たんだそうです。そして、鎌状赤血球を持っている兄弟の人の2/4の人
、この人たちは、鎌状赤血球を持っていて障害はないということがわかっ
たんだそうです。そして残りの1/4の人は、えっと鎌状赤血球も持って
いない。障害もないということが分かったんですね。で、マラリアがばー
っと大発生したときに、この人は鎌状赤血球を持っていないので亡くなっ
てしまいます。で、生き残るのは、この3/4の人なんですね。
で、人体?という番組は、柳澤桂子さんとか、それから立花隆さんとか、
養老孟司さんとか、科学者の人がたくさん出ておられる科学番組なんです
けどね、その人達が、こんなふうにおっしゃいました。「この村を救った
のは、この鎌状赤血球を持っていて、障害のない2/4の人たちである。
けれども、この2/4の人が、ここに存在するためには、この1/4の障
害を持っている人たちが、存在しなければ、この2/4の人たちは決して
ここに存在しないのだ。たとえば、障害を持っている人はいらないんだと
思って切り捨てていっていたら、けっして、この2/4の人たちは生まれ
ていなかっただろう」っておっしゃるんですね。「しいていえば、この村
を救ったのは、この1/4の障害を持った人である」とそんなふうに人体
?では言っていました。
そして、次の回で、今度はエイズの話をしていました。今、世界は、エイ
ズという病気のために、人類は絶滅の危機にあるんだそうですね。日本で
はあんまりわからないけれど、本当に絶滅の危機にあるんだそうです。け
れども、「絶滅はしないでしょう」と番組では言っていました。なぜなら
ば、エイズにかからない人がいるということがわかったからです。
アメリカのある一人の男の人がいました。その男の人は、女の人を好きに
なるんじゃなくて、男の人が好きになっておられる方だったんですけど、
恋人がエイズで亡くなっているから、自分もエイズにかかっているのだろ
うと思っていたんですね。ところが、エイズにならない、おかしいなと思
って、病院に行って、調べられたら、あることがわかったんだそうです。
 それはどんなことかというと、今から700年前、スペインのある村で、
ペストが大流行したんですね。で、その病気で、みんな、どんどんどんど
ん死んじゃうんですけど、村人の何人かだけが生き残ったんだそうです。
その何人かは700年の間に、だんだんだんだんと人数が増えて、たくさん
の人数になったんですね。この人達はエイズにはかからないということが
わかったんだそうです。
 それで、人体?では、すごく不思議なことを言っているんですね。もし
、百年とか、二百年後とかで、エイズが発生していたら、人類は滅んでい
たでしょう。それでは、人類を救うだけの数に、子孫の数が足りないんだ
そうです。三百年でも四百年でもだめなんだそうです。ちょうど地球を救
うだけの数になるのには、七百年かかるんだそうです。まるで七百年後に
エイズが大流行することを、知っていたかのように、七百年前にスペイン
で病気が発生している…そんな不思議なことを言っていました。
 そして、その番組で、こんなふうに柳澤桂子さんが言っておられます。
「私たちが今、元気に明日に向かって歩いていくことができるのは、過去
に、病気や障害を持って、苦しい生活を送ってくれた人がいるおかげであ
る。もしその人がいなかったら、私たちは今、ここにいないでしょう。今
、私たちの世界にも、あの、生きているこの社会にも、障害や病気を背負
っている人はたくさんおられます。その人達は、私たちが、未来の私たち
の子孫のためにも、支えていかなければならない、大切な人たちなのです
」とそんなふうに人体?という科学番組では言っていました。私はそれが
すごくうれしかったので、雪絵ちゃんにそのことを伝えたら、雪絵ちゃん
もそのことをすごく喜んでくれました。
「私たちだけが知っていたらもったいないね。たくさんの人が知っていて
くれたらいいね」と雪絵ちゃんは言いました。
それが8月でし。
 10月になって、雪絵ちゃんをすごく重い再発が襲いました。雪絵ちゃん
は意識不明になって、そして救急車に乗せられて病院に運ばれていきまし
た。知らせを受けて、すぐに病院にかけつけたけれども、雪絵ちゃんは絶
対安静で、面会謝絶で会うことはできませんでした。がんばって、がんば
ってって思いながら、毎日病院に行っていて、でも、なかなか会うことは
できなかったんですね。
 でも、11月の半ばになって、雪絵ちゃんのお母さんが、「雪絵の容態が
落ち着いたので、会ってやってもらえますか?」と言ってくださいまし。
「うわあ、うれしい」って言ったら、けれど「山元先生に言っておかなけ
ればならないことあがるんですね」とお母さんが言われました。「雪絵の
脳をCTで見たら、真っ黒で、もうこの子は何も見えないし、聞こえないし
、感じていません。何もわからないんです。先生に会っても、この子は何
もわからないでしょう。でも、山元先生はこの子が大好きな人でしたから
、会ってやってくださいますか?」と言ってくださったので、私は雪絵ち
ゃんに会わせていただくことにしました。
 病室に入っていくと、雪絵ちゃんは、身体を半分起き上がらせるように
なってるそういうベッドに身体を横にしていました。で、「雪絵ちゃん」
って言って、そばに行ったときに、びっくりすることが起きました。雪絵
ちゃんは、私が最後に会ったときは、指一本動かせなかったはずなんです
。けど、私が「雪絵ちゃん」と言って手を握ったら、雪絵ちゃんはものす
ごい力で私の手をぎゅーっとつかんでくれました。ああ、私がここにいる
って、雪絵ちゃんはわかっているんだ。魂か何かわからないけれど、CTで
撮った脳が真っ黒でも、私がいるってわかっているんだなって思いました。
 次に行ったときに、雪絵ちゃんは言葉を取り戻して、雪絵ちゃんは「痛
い、痛い」って行ったり、「先生」って言ってくれたりしました。私が話
していることに対して、「よかったね」とは言ってくれなかったけれども
、雪絵ちゃんは確かに、私がいることがわかっているなってそんなふうに
思いました。また毎日のように、雪絵ちゃんのところに出かけて、今日あ
ったことを話したり、クリスマスが近かったので、クリスマスの歌を歌っ
たりしました。12月の23日に、あの、雪絵ちゃんのところに行ったときに
、雪絵ちゃんにまた重い再発が起こっているということがわかりました。
でも、私は、12月の24日に、どうしても、ソウルに行かなければなりませ
んでした。私の本を韓国で出版してくださるという方がおられて、もう1
年も前から、私が休みになったら行くって約束してたんです。
 雪絵ちゃんに「がんばってね。お誕生日も28日で近いし、クリスマスも
あるから、雪の模様のパジャマを買って帰ってくるから、何か探して帰っ
てくるから」ってそう行って病室を後にしました。
 そして24日に小松空港に行ったら、小松空港のカウンターのところに貼
り紙がしてあって小松はいつもね、冬は雪なんですけど、その日はめずら
しくいいお天気だったのに、「天候不良のため、飛行機飛びません」って
書いてあったんです。ソウル便飛びませんって。おかしいなあ、こんない
いお天気なのになと思って、カウンターで聞いたら、この便はソウルから
の便の戻りなんだそうです。だから、ソウルで天気が悪いんですよってお
しゃったんですね。
それで、友達に電話をしたら、ソウルの友達は、編集者の友達は、「おか
しいんですよ。不思議なんですよ。こちらもいいお天気で、東京の便も、
大阪の便も、みんな同じ時間に飛んでいるのに、なぜか小松の便だけが飛
ばなかったんですよ。おかしいですね」って。
「じゃあ、次の便が出るのが26日だからそのときに行きます」そういうふ
うに約束をしました。
それで、26日の便は、お昼頃なので、その用意をしていたら、朝の6時に
うちの電話が鳴りました。
それは、雪絵ちゃんが亡くなったという報せの電話でした。
 私は雪絵ちゃんがどんなに悪くなっても、どんなに危ないと言われても
、いつも雪絵ちゃんは絶対に大丈夫だとなんだかそんなふうに思っていま
した。けれども亡くなったという報せを聞いたときに、私は雪絵ちゃんは
今日亡くなろうって自分で決めたのかなってなんだかそんな気がしました
。雪絵ちゃんはいつもいつも、なんでも自分で決めていたんです。クスリ
を飲むか飲まないか、入院するか退院するか、そういうことも自分で決め
ていました。
「だって、私の人生だよ。誰が私の人生に責任を持てる? 誰も持てない
よ。でも私なら持てる。私が決めたことだったら、がんばれるし、誰のこ
とも恨まなくてすむからね」ってそう言っていたんです。だから、雪絵ち
ゃんは今日亡くなろうって自分で決めたのかなって思いました。雪絵ちゃ
んのおうちに行ったら、お母さんが待っていてくださいました。
 そして、雪絵ちゃんのお部屋に通してくださったんです。雪絵ちゃんの
枕元には姪っ子さんや甥っ子さんが楽しそうに遊んでいてね、あのお本当
に優しい顔で、眠っているみたいでした。
お母さんは不思議なことをおっしゃるんです。「この子はね、今日亡くな
ろうって自分で決めたんだと思います」って。
「どうしてそう思われるんですか?」って言ったら、「この子は、年が明
けたら、一月になったらね、大きな病院にかわることに決まっていたんで
す。その病院はこの子が絶対に行きたくないと言っていたとても遠い病院
でした。この子は家が好きでしたから、そこには行きたくないといつも言
っていたんです。この子はお正月も自分の誕生日も、みんなね、自分の家
ですごそうと決めていたんじゃないでしょうか」とお母さんがおっしゃい
ました。
 そしてお母さんが、「不思議なんですよ。この子は、今日亡くなって、
明日27日がお通夜で、28日、お誕生日がお葬式なんですよ。この子はね、
お誕生日がいつもことさら大好きで、大事な日、大切な日と言っていた。
その日にお葬式なんですよ。あっぱれな子ですね」とおっしゃいました。
「私は実は今日、ここにいないはずだったんです。飛行機が飛ばなかった
ので」と言いました。
 お母さんは、「あの子は、先生にいてほしいために、飛行機までとめて
しまったんですね」とおっしゃいました。そして、きっと、お通夜やお葬
式の席じゃなくて、今日、ここで先生とお別れがしたかったんでしょう。
あの子は先生と行った温泉旅行がすごくうれしかったようで、その話ばっ
かりしていましたから、この子をソウルに連れて行ってやってください」
と言ってくださいました。
 それで、私は雪絵ちゃんのお通夜にも、お葬式にも出席していません。
雪絵ちゃんと一緒のつもりで、飛行機に乗り込みました。けれども、私は
雪絵ちゃんのことばっかり考えてね、雪絵ちゃんはいつもいつも、「私で
よかった。私の人生を後悔しない」って言っていたけど、でも、やっぱり
つらくて悲しい人生だったんじゃないだろうか、そんなふうにも思ったり
もしました。また、雪絵ちゃんは負け惜しみを言っていたんじゃないだろ
うか?と思ったりもしました。けれども、またこれも本当に不思議なんで
すが、私の鞄のなかに雪絵ちゃんからのエッセイが、手紙が一つ入ってい
たんです。それはこんな手紙でした。 

誕生日

私今日生まれたの。

一分一秒のくるいもなく、今日誕生しました。

少しでもずれていたら、今頃 健康だったかもしれない。

今の人生をおくるには、一分一秒のくるいもなく生まれてこなければいけなかったの。

けっこうこれってむずかしいだよ。

12月の28日、私の大好きで大切で幸せな日、

今日生まれてきて大成功。Snowに生まれてきて、これまた大成功。


 雪絵ちゃんはやっぱり自分に生まれて、大成功、大正解って思ってたん
だなあというふうに思いました。それでも、私は、雪絵ちゃんが亡くなっ
たことを、なかなか受けとめることができませんでした。毎日毎日泣いて
いました。悲しくて悲しくて。そして、私は自分勝手な人間だなあって思
うんですけど、雪絵ちゃん、なんで亡くなっちゃったの? 誰が私の話を
毎日聞いてくれて、「よかったね」って言ってくれるの?ってそんなこと
を思っていたりしました。ごはんも食べられないし、寝られないけれど、
でも、ベッドの中に入って…。学校のある間は学校にいるからいいんです
けど、帰ってから、本当に何もできなくって、もうこのままじゃね、私も
だめになってしまうのじゃないかなあって。体重もどんどんやせていった
んですね。
 そしてまさにそんなときに、まるで背中をぽんぽんとたたかれたみたい
に、あることがぱっと思い出されたんです。なんか電気が走ったみたいな
くらいだったんですけど…それは雪絵ちゃんとした最後の約束でした。私
が、最後に雪絵ちゃんと長い会話をした日。
その日、雪絵ちゃんは、「かっこちゃんにどうしても頼みたいことがある
から、家に来て」って言ったんです。そして出かけて行ったら、雪絵ちゃ
んは「今から話すことを絶対にきいてほしいお願いがあるの。絶対にだめ
って言わないでほしい」って何回も何回も念を押すんです。
「私、雪絵ちゃんのお願いだったら何でもきくじゃない。雪絵ちゃんは今
まで私に、お願いなんかしたことないじゃない。なんだってきくから言っ
て」って。
そしたら雪絵ちゃんは「本当だよ」ってまた念を押して、こんなふうに言
いました。
「かっこちゃん、前にね、障害とか病気とかとっても大切なんだよ。科学
的にも証明されているって言ったよね」って。「言ったよ」って私が言う
と、「人は障害があるとかないとか、そんなことじゃなくって、誰もがみ
んな大切だっていうことも科学的に証明されているって言ったよね」
「言ったよ」
「じゃあ、それがね、世界中の人が知っている世界にかっこちゃんがして」
って雪絵ちゃんがそう言いました。
「なんでそんなこと私ができるの?」って私すぐに言おうと思いました。
そうしたら、雪絵ちゃんが「言わないで」って止めるんです。
「何も言っちゃだめ」って。
 私は雪絵ちゃんがあんまり真剣だから、そのときね、「わかったよ」っ
て言ってしまったんです。だけど、できるなんてことはぜんぜん思ってい
ません。できるはずがないと思っていました。
でも、雪絵ちゃんはそのまま亡くなってしまいました。
私は泣いてばっかりいて、なんにも雪絵ちゃんとの約束を守っていない、
書かなくっちゃ書かなくっちゃと思って、私は三冊の本を書きました。
 それがこの「本当のことだから」という本。これは、雪絵ちゃんが教え
てくれたことや、ペルーにあるナスカの地上絵とかそんな不思議を学校の
子ども達がその謎をちゃんと解き明かしてくれているというね、そういう
本です。「本当のことだから」という本と、違うタッチでお話ししたいと
思って書いた、ファンタジー「魔女・モナの物語」そして「心の痛みを受
けとめること」というふうに、三冊書いたんですね。
 これは、16,17,18冊目の本になるのかな?でも、それまで私は、本、
書いたらね、ああ、よかった、それでいいやって思っていて、あの、売れ
てほしいとか、たくさんの人に読んでほしいって、ぜんぜん思っていない
わけじゃないんですけど、あんまりそういうことを思わないでいたと思い
ます。でも、書くだけじゃだめだ。読んでいただいて、知っていただかな
いと、雪絵ちゃんとの約束を守っていくことにはならないというふうに思
って、本屋さんにお願いして、本屋さんに「置いてください」とお願いを
しに行ったんですね。この「本当のことだから」という本を最初に置いて
くださいと言ったら、「どうしたんですか? 山元さん、今度は自費出版
ですか?」と言われたので、「そうじゃないんですけど」って言ってね、
雪絵ちゃんの話をさせていただいたら、「わかりました。置きましょう」
と言ってね、たくさん置いてくださってね、買っていただくことができた
んです。
 その次に、今度もまた、この「魔女、モナの物語」というお話しを、ま
た置いてくださいと本屋さんにお願いしに行ったら、本屋さんが、
「不思議なんですよ、この本がね、インターネットでもなかなか手に入ら
ないし、じゃあ、取り寄せようと思っても、なかなか、入って来ないんで
すよ」とおっしゃるんです。
 ああ、これはもうだめなのかなあと、書いたけど、だめだったのかなあ
と諦めかけたときに、ある一人の友達が、赤塚さんという友達なんですけ
ど、その人からちょうどメールが入ったんです。
「僕はこれを読んだよ」って言って、なんかよくわからないけれど、「僕
はこれを世界に広めるよ」って言ってくださったんです。
 赤塚さんはキリスト教の方なんですけど、イエス様を信じておられる方
なんですけど、「イエスはね、パウロという人がいなかったら、ただの田
舎の大工だったんだよ」私が言ったんじゃないですよ。あの、赤塚さんが
おっしゃったんです。「ただの大工だったんだよ。だからね、僕はモナの
パウロになるよ。これを伝導するよ」なんて言ってくださってね、最初に
百冊買ってくださって、そしてね「僕はこれを百人の友達に贈って、みん
なに、10冊ずつ買わないと友達じゃないぞってね、みんなを脅迫した」な
んて言ってくださって、そしてまた不思議なことにたくさんの人に読んで
いただくことができたんですね。
 それで、私は、なんか雪絵ちゃんがいつも守ってくれてるんじゃないか
なってね、そんな不思議なことを思っているんですね。
 私は今でも、そんなに簡単に、世界中の人がこのことを当たり前に知っ
ている世の中になるとは思ってはいないんです。けれども、私はやっぱり
このことをずっとずっとお話しさせていただきたいなと思っています。
 そして、私、みなさんにお願いがあるんです。「今日、講演会に行った
らね、こんな話を聞いてきたよ。1/4の奇跡みたいなことがあるよって
、(お力を貸していただけないでしょうか?)あのね、おうちに帰ったり
、お仕事の先のところで、こんな話を聞いてきたよ、雪絵ちゃんはこんな
ことが伝えたがったんだよ」って、お話ししてはいただけないでしょうか?
お願いします。
 そしてね、もうひとつね、わがままなお願いがあるんですけど、実はね
、私の友達がね、「かっこちゃん、そんなふうな伝え方していても、広ま
っていかないんだよ。こういうふうにしたらいいよ」って教えてくれたこ
とがあるんです。私は「たんぽぽの仲間たち」っていうホームページを持
っていて、その中にいちじくりんというブログを持っているですね。でね
、いろんな方が来てくださるんですけれど、かっこちゃんのページに来て
くれるのは、かっこちゃんのことを知っている人とか、障害を持っている
人のお父さんお母さんや、そういう人しか来ないと思うよ。そういう人は
もう十分にいろんなことをわかっておられると思うよ。それじゃあ広まら
ないよって言ってね。このいちじくりんというブログにブログランキング
というのがついているんですけど、それをちゃんとつけないとだめだよ。
そのブログランキングという文字を一日に一回押していただくと、ランキ
ングが上にあがっていくようになっているので、そのランキングを見てく
ださった方が、「いちじくりんって何だろう」と思って来てくださるかも
しれないと、教えてくれました。
おかげさまで、私のホームページに来て、ホームページの中の文章やブロ
グで子ども達のことを知ってくださる方が増えてきました。
ある方は、「僕は障害を持っている人のことはぜんぜん知らなかったけれ
ど、今度、僕の会社で、二人、働いてもらうことにしましたよ」と行って
くださる方がおられます。
 それから、ある方は、「養護学校が近くにあって、電車で生徒さんと一
緒になるんだけど、そして、なんだか離れてすわってしまっていたんだけ
ど、いちじくりんを知ってから、積極的に、隣にすわってお友達になりた
いなって思うようになりました」って言ってくださる方がおられたりで、
とってもうれしいんです。
 あの、本当にあつかましいお願いですが、もし、みなさん、パソコンを
持っていらして、ちょっと時間をとってもいいよという方がおられたら、
いちじくりんを毎日開いていただいて、ブログランキングという文字をぽ
ちっと押していただけると、ランキングがあがって、またたくさんの人に
来てたいただけるんじゃないかと思って、お願いいたします。
 私はやっぱり、雪絵ちゃんの思っていたことっていうのは、決して雪絵
ちゃんのわがままだったわけじゃなくて、みんなが自分のこと好きでいい
んだって思えて、みんな大事だって、障害を持っている人もそうでない人
も、誰もがみんな大事だということをお話ししていけたらいいなと思って
いるんです。
 いま、だんだんブログとかの世界が広まってきているので、たくさんの
方がブログを持っておられます。たんぽぽの仲間たちのホームページに書
いてあること、いちじくりんに書いてあること、それから、別冊たんぽぽ
と言って、声でしゃべっているページもあります。著作権とかぜんぜん関
係ないです。どれを使っていただいても、ぜんぜん大丈夫です。紹介して
いただけたらなあと思います。

最後まで聞いていただきまして、本当に、どうもありがとうございました。




「満天の星」の動画
宇宙の約束はきっと愛なんだと私、なんだかそんなことを考えています。
山元加津子さんブログから




山元加津子
http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/

いちじくりん
http://itijikurin.blog65.fc2.com/ 



この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する